気管支喘息
気管支喘息(ふつう、喘息と省略しています)のこと、喘息は、ヒューヒューゼーゼーと笛が鳴るような呼吸音(喘鳴=ぜんめい)が特徴で、発作的に喘鳴が出現し、息苦しさを感じたりします。それで喘息(ぜんそく)という病名がつけられました。
ただし、小児での喘息様気管支炎、また、発作がなく、咳だけが出る喘息を咳喘息(せきぜんそく)といいます。
小児喘息の患者さんは、喘息になる前に乳児湿疹、アトピー性皮膚炎があることがよくあります。
だから、アレルギー性皮膚炎と喘息とアレルギー性鼻炎はアレルギー疾患の3兄弟です。
そして、小児喘息が思春期喘息を経て、成人期まで継続して喘息を持ち越したケースが多く見られます。
また、小児喘息が治って、成人期になって再発した成人喘息の場合もあります。
もちろん、小児喘息がなく、成人になってから突然、喘息を発症した成人喘息もあります。
成人喘息は、心臓の疾患が原因で起こる心臓喘息や高齢者に起こる肺気腫、慢性気管支炎などの原因で、気管支がヒューヒューゼーゼーいう呼吸音とは区別されなければなりません。
喘息の治療
喘息の症状を抑える治療(対症療法と言う)として昔からの治療方法です。
しかし、これは根本治療ではないです。
根本治療は症状のないときに行うのがミソです。代表的な治療は、インタール薬の吸入です。
インタール吸入薬はイギリスのコックスという医師が発見したものです。ダニや花粉などのアレルゲンによるアレルギー反応を予防する効果があります。運動誘発性喘息の予防にも効果があります。副作用はそう多くはありません。
最近では、ステロイド吸入薬の新薬が主流になりつつあります。
ステロイドというと副作用を頭から恐がる人がいます。しかし吸入薬は気管支局所に留まるので全身的副作用は起こしません。
副交感神経遮断薬は気管支を収縮させようとする副交感神経の働きを遮断して、交感神経の働きを助け、気管支を拡張させようとする薬(吸入薬)です。
セレベントという長時間作用型の気管支拡張剤は有効です。セレベントは12時間効果を持つ交感神経刺激気管支拡張剤です。それを1日2回使っていて、なおかつ発作があった時はサルタノールという最も副作用の少い交感神経刺激薬を使うのです。
小児喘息用にフルタイド50エアーが使われています。
飲み薬は、抗アレルギー薬、気管支拡張剤、ステロイドなどがあります。
テオフィリン系気管支拡張薬はテオフィリン製剤の飲み薬や静脈注射や点滴の中に入るアミノフィリンやネオフィリンというのはテオフィリン系のクスリです。薬物血中濃度(測定してもらう必要がありますが)は5〜20ugであれば安全とされています。
外用薬としては、ホクナリンテープがあります。
それは、24時間効く、張って効かす交感神経刺激薬の気管支拡張剤です。手足や頭を除くどこに張っても構いません。カブレる人は使えません。動悸、手のふるえのある人はmgの少いものを使うようにして下さい。
呼吸器機能障害の判定について
呼吸器の機能障害の程度についての判定は、予測肺活量1秒率(以下「指数」という)動脈血ガス及び医師の臨床所見によるものとする。指数とは、1秒量(最大吸気位から最大努力下呼出の最初の1秒間の呼気量)の予測肺活量(性別、年齢、身長の組み合わせで正常ならば当然あると予測される肺活量の値)に対する百分率である。
ただ、この値を出すには発作の起きている状態です。
(1)等級表1級に該当する障害は、呼吸困難が強いため歩行がほとんどできないもの、指数が20以下のもの又は動脈血O2分分圧が50Torr以下のものをいう。
(2)等級表3級に該当する障害は、指数が20を超え30以下のもの、若しくは動脈血O2分圧が50Torrを超え60Torr以下のもの、またはこれに準ずるものをいう。