強迫性障害は、きちんと治療を受ければ治る病気です。
強迫性障害
という病気をご存知ですか?
やめたい、意味がないとわかっていながら、
ある考えがいつまでも頭から離れない、
といったことがありますか?
「強迫観念」と「強迫行為」があります。
両方の症状が共存することが多いですが、強迫観念だけの場合もあります。
強迫観念とは…
ある特定の考えやイメージが強迫的に、何度も繰り返して頭に浮かんでくることを指します。
強迫行為とは…
強迫観念を打ち消すための行為で、自分の意志に反してやってくる場合が多く、強迫儀式とも呼ばれます。
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トイレに行った後や汚いものに触れた後、必用以上に何回も手を洗ったり、衣服を洗濯したりする。
● 外出時にドアの鍵を閉め忘れていないか、ガスの元栓をしっかり締めたか、何度も戻って確認してしまう。
● 棚に並べてある本の数を何度も数えてしまう。
● 4や9など、特定の数字に関連して不吉な考えが浮かび、不安に襲われる。
● 尖った物で自分や他人を傷つけてしまいそうで、ナイフやハサミ、コップなどの割れやすい物に近づけない。
これらは誰にでも起こることがありますが、そのために日常生活や社会生活に支障がでてくるようなら、それは強迫性障害というこころの病気のためかもしれません.
強迫性障害かどうか、どのように診断するのでしょうか?
強迫性障害の診断には、次の5つの質問が用いられることがあります。
1、手がいたくなるくらい、何度も手洗いをくりかえしますか?
2、カギをかけたか、ガスの栓を締めたか、何度も同じ事を確認しますか?
3、ばかげていると分かっていても、頭の中に繰り返し起こってきて振り払うことのできない考えがありますか?
4、1つ1つのことをやり終えるのに長い時間がかかりますか?
5、順序正しいことや左右対称であることにとらわれていますか?
出典:Montgomery
S,Zohar J;
Obsessive Compulsive Disorder:1999
MARTIN DUNITZ Ltd.より一部改変
強迫性障害の発症原因は?
まだよくわかっていませんが、脳の中の神経間で情報伝達がうまくいっていないことが原因の一つになっているようです。不安な気持ちの情報伝達が過剰になり、強迫性障害の症状が現れるのではないかと考えられます。
どのような治療法がありますか?
強迫性障害の治療の基本として、薬物療法と行動療法があります。治療の選択にあたっては、年齢や身体合併症の有無、症状の重さなど、さまざまな要因に応じて決められます。また、強迫性障害はいったんなおった後も、再発の可能性のある病気です。そのため、回復してからも長期にわたって治療を続け、再発を予防する必要があります。
薬物療法には…
脳内のセロトニンの働きを高める薬が使われます。これには、選択的セロトニン再取り込み
阻害剤(SSRI)があり、日本では、強迫性障害の治療薬として承認されたいます。
行動療法には…
さまざまな方法がありますが、その中でも「暴露反応妨害法」が強迫性障害に効果があると
言われています。
強迫性障害は、きちんと治療を受ければ治る病気です。