○爪白癬とは
爪白癬とは、白癬菌が爪の中に侵入して起こる病気です。
白癬菌とは、水虫の原因菌であり、白癬菌が足にいれば足白癬(水虫)で、爪の中に侵入すると爪白癬となります。
爪白癬では、爪の色が白く濁ったり、爪の厚みが増して変形したり、爪がもろく崩れやすくなったりする症状がでます。日本の爪白癬の患者数は1200万人とも言われており、日本人10人に1人がかかる一般的な病気です。
また、爪白癬にかかった爪から崩れ落ちる爪の中には、白癬菌が含まれています。家族の中に爪白癬の患者さんがいると家中のいたるところに白癬菌をばら撒いてしまい、身近な人に白癬菌を移してしまいます。
そのため、爪白癬は早期発見、早期治療が重要となります。
○爪白癬の治療
抗真菌薬と呼ばれるカビに効果のある薬で治療します。
抗真菌薬には、飲み薬と塗り薬がありますが、爪白癬には飲み薬が第一選択薬として用いられます。爪は硬くて丈夫な構造をしているため、塗り薬を塗っても薬が爪の中にしみこんでいきません。そのため、飲み薬によって体の内側から直接白癬菌を退治する必要があるのです。
爪白癬に用いられる飲み薬としては、テルビナフィン、イトラコナゾールが有名です。
テルビナフィンは、1日1回で約6ヶ月間、服用し続けるタイプの抗真菌薬です。
一方、イトラコナゾールでは、パルス療法という治療がよく行われています。
パルス療法では、1週間にわたってイトラコナゾールを1日400mgずつ毎日服用し、その後3週間休薬、これを1サイクルとし、3サイクル繰り返します(図)。これは従来の服用方法よりも効果が高いことがわかっています。
(図)パルス療法